愛と仕事

みなさんこんにちは。校長の高野です。

「建学の精神/神を忘れた良心は麻痺し、土を離れた生命は枯死する。本校建学の精神は、神を愛し、人を愛し、土を愛する人格形成である。・・・農業は隣人の生命の糧を生産する職業である。農業を具体的な隣人愛の実践であると確信し、土を愛し誇りとよろこびをもって農業に従事する・・・」

三重県伊賀市にある私立の農業高校、愛農高校の教室に掲げられている「建学の精神」の文言です。愛農高校は全国愛農会が運営しています。愛農会は戦後すぐに結成された農業者団体で、キリスト教の信仰をベースに、有機農業の普及を中心に活動しており全国に会員がいます。私はいろいろな宗教を広く浅く勉強していますが、キリスト教を勉強してもピンときませんでした。キリスト教の説く愛というのがあまりに抽象的で高遠な感じがしていたのです。神を愛せと言われても・・・神様から愛されていると言われても・・・という感じですね。

でも愛農高校に行ってこの「建学の精神」を読んで腑に落ちた気がしました。日々の野良仕事が愛の実践であったのです。

働くことが愛の実践であるような働き方。その愛とはキリスト教で説かれるものだけに限る必要もなく、また農業に限られるわけではないと思います。どんな信仰をもつものも、あるいは持たないものも、さまざまな職業・生業において、そのような働き方を追求することができます。

私たちの働き方に決定的に不足しているのは愛なのではないでしょうか。農家が土を愛するように対象となるモノを愛し、お客様を愛し(「お客様は神様です」という打算的な関係ではなく)、いっしょに働くものを愛する働き方ができたらどんなにすばらしいでしょう。

ミライの職業訓練校はそのような働き方を、照れずに臆さず追求できる場でありたいと思います。

(つづく)

 

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